鬼を描いて門にさす節分の鬼板
どんな伝承か
上宝村では節分の昼、幅一寸五分、長さ五、六寸ほどの板に墨で鬼を描き、その下へ横線を十二本、閏年なら十三本引いた。板はその日のうちに出入り口へさしておき、翌日はずして二つ穴をあけ、麻紐を通す。回して引けば音の鳴る独楽になった。別のやり方では、幅三寸、長さ七、八寸の板に鬼の顔を描き、割箸ほどの棒に煮干しをはさんだものを門にかけ、板を添えて打ちつけたという。著者はこれを鬼板と呼ばれる門口の呪物とみている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・昭和(1988))
民俗学者・佐々木勝が全国の民俗調査をもとに厄除け・厄払いの習俗を日本人の霊魂観から論じた研究書(昭和六十三年)。祖霊信仰・霊魂信仰・厄神信仰を背景に、防塞系呪術(防御型・鎮送型・攻撃型・潔斎型)と祭祀系呪術(供物型・奉迎型)に呪術を類型化する。本文は〔事例〕番号付きで全国各地の具体的習俗を多数収める。