力餅を背負う初誕生
どんな伝承か
カメラマン影山光洋氏の郷里浜松には、初誕生の子に紅白の力餅を背負わせる習俗がある。物資の豊富だった昭和十一年生まれの長男には紅白一升の餅を、支那事変下の昭和十四年生まれの長女には浜松の祖母から送られた力餅一個を、太平洋戦争下の昭和十八年生まれの次男には戦時菜園で採れたサツマイモを、敗戦っ子の三男には占領軍から放出された食パンを、それぞれ力餅代わりに背負わせたという。まさに力餅の戦争史であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。