双生児を畜生腹として忌む迷信。厚生省
どんな伝承か
掛川市で起きた異性双生児の母子心中事件をきっかけに、男女の双生児を心中の生まれかわり・畜生腹として忌む俗信が、当時なお全国的に根強く残っていたことが明らかになった。厚生省人口問題企画課によれば、双生児は届出の際に操作されて隠される場合が多く正確な数はつかめないが、統計上は千五百五件に一件の割合で生まれるとされる。異性双生児は単に別々の精子がたまたま同時に受胎しただけであり、理屈の上ではきょうだいが同時に生まれたに過ぎないが、それでも人間の生まれ変わりが信じられていた時代の記憶が、この出生のかたちに重ねられていたのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。