息子の稔が父熊嶽に虫歯を一本抜いてもらった体験を証言
どんな伝承か
息子の稔は父熊嶽の巡行に何度も同行し、その術の効果を確信していたという。自分自身も虫歯を一本抜いてもらった経験があり、「両手をあごにあてんかのう、と言われてね。気合の恐さを知っているからまともに顔を見られなかった。エイッと言われて身体がしびれて、同時に歯がポロッと抜けたんや」と証言している。日常は普通の人だったが、病気治しとなると態度が一変したとも語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊術家の饗宴(井村宏次・井村宏次・霊術研究・現代(著述))
井村宏次『霊術家の饗宴』。明治末から昭和初期にかけて隆盛し、抹消された〈霊術家運動〉の歴史を発掘・復元する。プロローグで霊術家の運命を予告し、第一章では気合術師・浜口熊嶽が帝都に乗り込み九字と気合の嵐で名を上げ、明治の心霊手術を行い、実川上人のもと那智滝で仙人修行・三密の極意を得て、大阪の『真言秘密』裁判で判官臨席の気合術実験により勝利するまでを描く。