一 能の幽霊たち 『船辨慶』の知盛
どんな伝承か
能における幽霊たちは時間と空間を超えて存在するとされ、なかでも『船辨慶』に登場する平知盛の霊はその象徴である。能の魅力は面にあり、平家の公達の悲運を秘めた〈中将〉やすさまじい情念を示す〈泥眼〉などが人間の心の暗部や歓喜、悲愁を映し出す。舞台に引き幕を持たず三方を世界に開く独特の構造が、幽霊という〈超え得ない何か〉の存在を静かに際立たせているという。
原典より
* 二 歌舞伎の幽霊たち 『四谷怪談』のお岩* **第五章 近代の幽霊*** 一 足のある幽霊 〈三遊亭圓朝〉* 二 眉をかくす幽霊 〈泉鏡花〉* 三 否定された幽霊 〈森鴎外〉* 四 鈴を鳴らす…—— 日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路・幽霊・文学史・昭和) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路・幽霊・文学史・昭和)