大阪の旅館における女中の幽霊体験
どんな伝承か
大阪のある旅館は暑い晩に屋上の涼み台で客を寝かせた。座敷が塞がっていたため語り手はそこへ寝かされ、夜半に目を開けると、簾の外をゆかたを着ていちょう返しに結った女が行き来している。声をかけると姿は消えた。下りて話すと、おかみは「また出ましたか」と言い、翌朝、数か月前にその床で若い女中が胸を患って死んだと明かした。畳ござには線香が風で倒れてできた焼け焦げが四、五十か所あり、見せられた写真は前夜の姿とほとんど違わなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊界(長田幹彦・昭和初期~中期(戦前・戦中・戦後初期))
本書『霊界』は、科学者・長田幹彦による昭和初期から中期にかけての心霊現象の実証的記録である。著者自身の幽体脱離体験、超心理現象研究会での組織的な実験、有名な益田小妙霊媒による物質化現象など、多数の事例を記載。物理現象(メガホン飛行、人形操作、デスク浮遊)から心理現象(自動書記、霊言対話)まで幅広い超常現象を科学的に検証する試みが特徴。フォックス家事件やケーティ・キング事件など海外の著名な心霊学事例も引用。