不動明王の怒り
どんな伝承か
伊予田英照も授かった舎利石を肌身離さず持っていたが、亡くなってから袋を開けると石は姿を消していた。役目を果たして元のところへ帰っていったのだという。跡を継いだ長男の諦覚は高野山大学を出た僧で、夫人かなよを霊媒に英照とともに物品引き寄せを続けた。ところが昭和十八年ごろ、あまりにも頻繁に術をやりすぎたため不動明王が怒り、授けた舎利石を粗末にする者が多い、もうこれ以上は与えることができぬと告げた。以来いくら試みても神仏も天狗も現われなくなった。行が行われた山腹の洞窟は大雨で半ば埋もれたが、不動尊はいまも信仰を集め、三十個あまりの舎利石が秘宝として吉祥院に残されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・昭和)