狂人扱いされ座敷牢に四十日閉じ込められた直が
どんな伝承か
明治二十五年正月に初めて神憑りになって以来、出口直は自分の意志によらず言葉が口をつくままに夜昼となく大声でどなり、人々から狂人扱いされた。近所迷惑という理由で、警察の注意により旧三月七日、出口家の元屋敷に組内の人々が座敷牢を作り、四十日間閉じ込めた。ある日、直は腹の中の神に、こんな大声では発狂者と思われ肉体も苦痛だ、穏やかな方法にしてほしいと訴えると、筆を取れと告げられた。文字を知らぬ直が当惑していると、神がお前が書くのではない神が書かせると重ねて言う。転がっていた一本の釘を取ると手がひとりでに動いて柱に何か書きつけた。これがお筆先の始まりで、以後二十二年間に約三千冊を書いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)