元旦の夜、直は神人合一の境に入り
どんな伝承か
明治二十五年正月元旦の夜、機縁の熟した開祖出口直の身は俄然、神人合一の境に入った。夢か現か、漂渺たる神境に進み入ると、宮殿楼閣が棟を並べて立ち、その荘厳美麗はたとえようもなかった。正面の門を入ると中央に大兵肥満で長い鬚を八束に余す大神が坐しており、開祖の手を取って奥深く導いた。さらに艮の方へ進むと、金銀珠玉で飾られた幾倍も雄大な正殿があり、麗しい大神に見つめられた。やがて別の麗しい屋舎で、往年亡くなった夫政五郎とありし日のまま再会し、既往と将来を語り合った。この光景を愛児に語り聞かせようと夫に別れを告げると、忽然として元の破屋の我が身に返ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)