東田町の妻・火のたたり
どんな伝承か
慶応三年九月二十五日、名古屋の東田町のある者の妻が白山に参詣したところ、僧から「お前の町は火にたたっている」と告げられた。妻はさっそく帰って町代に話し、町内では俄に秋葉に火を燈し、大般若経を読み、篝火を焚いて一統で信心したという。ここでいう「秋葉」は町内の秋葉燈籠のことである。この噂を聞いた西の御手筒組でも、札は降らないものの秋葉宮を祀ることにしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・現代(歴史研究))
歴史学者・田村貞雄による、1867年(慶応3)の民衆運動『ええじゃないか』の起源を三河地方の御札降りから検証した歴史研究『ええじゃないか始まる』。伊勢神宮などの御札(御祓)が空から降る『御札降り』を発端とするこの運動の最初期を、従来説より早い7月中旬の牟呂村(豊橋)に特定。神職の記録『留記』を分析し、慶応3年7月14日大西村での御札降り、子と妻の死、宮司森田光尋による『二夜三日正月』の決定と開始、各地への祭礼の波及を辿る。