金時の書いた大の字が収まった写経
どんな伝承か
頼光の一行は大江山の麓にある普光寺、すなわち熊野神社の神宮寺に参詣し、戦勝を祈って大般若経を写し奉納することにした。ところが金時は、貧しい生まれで文字を習っていないから写経はできないと言い張る。一字くらいは知っているだろうと仲間に責められ、しかたなく覚えのある大の一字だけを、間を置きながら用紙のあちこちに書き並べた。その紙を使って写経を進めてみると、金時の書いた大の字はいずれも経文で大の字が必要な位置に収まっており、消して捨てる字は一つもなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。