親子の怨が棟木に残る
どんな伝承か
二十年ほど前、巡査だった主人の転任で一家は京都府天田郡下六人部村へ移った。六間もある家が不審なほど安い家賃だったが、越してみると古井戸の底に異物があり、床下から悪臭が漂うなど恐ろしい出来事が続いた。ある夕方、門口できしむ音がし、続いて背後で髪の毛が逆立つような音がしたので振り返ると、六十年ほど前に絶えた家の位牌を納めた仏壇の押込が独りでに開いていた。八、九十年前この家では母娘が井戸へ身を投げ、父も棟木で首を吊り、後に住んだ者もまた同じ棟木で縊死したので、その棟木は焼き捨てられたと伝わる。
原典より
二十年前當時巡査をしてゐた主人の轉任で、京都府天田郡下六人部村へ轉宅し、六……間の家を家賃……といふ……に安いのを不思議とも思はす喜んで……た。—— 幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前))