返金に迷ふ幽靈
どんな伝承か
元文年中の九月二十三日の夜、常神村宗徳寺の住職仙霊和尚が灯下で書見していると、男が現れ畳に跪いた。自分は小島村の八郎兵衛という船頭で、主人鍋屋五郎左衛門の船で航海中に難破し他の船夫とともに死んだが、預かっていた銀三貫目を主人へ届けてほしいと告げて消えた。翌日、和尚の乗った船に重い荷が懸かり、開けると銀三貫目と衣類が現れたため、和尚は使いを立てて八郎兵衛の兄九郎兵衛に渡したという。
原典より
元文年中、若狹國常神村宗徳寺の住職仙靈和尙は、九月二十三日の夜ふけまで燈の下にて交机に書見してゐると、刺客が庫裡に入つたらしい音がした、或は寺男の知り人などが遊びに来たものであらうと思つてゐたるに、暫らくして一の男前に進…—— 幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前))