天井から見下ろす祖母の顔
どんな伝承か
昭和八年ごろ、語り手の従妹が幼かったころの話である。新宿区四ツ谷にある両親の店は夜更けまで客で騒がしく、眠くなった従妹はいつも女中に連れられて二階の座敷へ運ばれ、寝かしつけられていた。あるとき目を覚ますと、すぐそばに亡くなったはずの祖母がきちんと膝を折って座り、気づかわしげな顔でこちらを眺めていたという。その後も祖母の顔が天井からにこにこと見下ろしていることが度々あり、それが出ると従妹は決まって怖がって泣いたそうである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。