私が国民学校五年生の時友達から聞いたものです
どんな伝承か
山田節子さんが国民学校五年生のとき、友達から聞いた話。戦時中で疎開が進み人口の減った大阪市内で、一人の老人の葬式が営まれていた。今にも霊柩車が発車しようとした瞬間、棺の中からドンドンと叩く音が聞こえ、驚いて開けると老人は生き返っていた。老人は「戦地から息子が帰ってくると聞いたから、まだ死ねん」と言ったという。しばらくして、その息子の戦死の知らせが届いたと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。