疎開した時のね、その小学五年生の子ですがね
どんな伝承か
古志郡山古志村に疎開してきた小学五年生の子供の話。兵平衛という家へ疎開して来たが、顔色が悪く元気のなさそうな子であった。やがて寝つき、そして死んだ。座敷に入れて戸をきちんと閉め、茶の間で親類が集まって葬式の相談をしていると、座敷でゴトゴトと音がした。皆が怖がる中、あるお婆さんが「それじゃ、おれが開けてみよう」と戸を開けると、子は生き返って動いていた。「汽車の中でバナナがいっぱいあって、それをもらって食べた」と言ったという。その子はそれから一か月ほど生き、とうとうまた死んで、種苧原で葬式を出した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。