村上・嫉妬する墓石
どんな伝承か
新潟県村上で聞いた話である。かつて一人の男をめぐって二人の女が争い合っていた。男が病死すると、二人の女はそれぞれ別の地であとを追うように心中して果てた。すると男の墓石の上に、別々の墓地からそれぞれの女の墓石が飛んできて、がちん、がちんとぶつかり合うようになったという。石といっても自然石にすぎないが、男を慕う気持ちを捨てきれぬ女たちが、今なお互いに嫉妬を繰り返しているのだと語られている。いずれ二つの石は粉々に砕け散るだろうと言われ、女たちの怨念が石に籠ったものと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集