足袋がロハになる話
どんな伝承か
年の暮れが近づき、祖父と娘と弟に足袋を買ってやらねばと思い立った男が、踊り巡るうちに足袋屋の店先で閾をまたいだ。四文、二文、五分と値を尋ねて三足を選び、落とさぬよう紙包みを腰に括りつける。代を払いかけたちょうどそのとき、どこからか踊子が来て店先で盛んに踊り出した。それに吊りこまれた男が「ええぢゃないか」と踊り始めると、足袋屋は何を勘違いしたのか、自分から「只で去んでも、ええぢゃないか」と歌いながら踊り、代金は取らずじまいになったという。
原典より
「さうぢや、まう年明けるまで間がない。—— 阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・昭和(対象は幕末)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・昭和(対象は幕末))
概観篇では御降り(御札降り)に関する騒擾、伊勢神宮への御蔭参り・抜参りを慶安・宝永・明和・文政・慶應と時代別にたどり、慶應のええじゃないか、阿波のええじゃないかへと展開。幕末阿波(徳島)の御札降り・群集乱舞・世直し的民衆運動を、各事例の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで網羅した民俗・世相史。