月光に浮かれるもの
どんな伝承か
石垣島白保村の豪農山里亀吉は、生後三か月の赤ん坊が急に引きつけて息絶えたため、裸馬で四ヵ村の医者を呼びに走った。宮良村の入口の松並木にさしかかると馬が棒立ちになって進まず、頭上の松の枝に赤ん坊を抱いた中年の女がまたがっていた。女は三か月前に死んだ上間の妻で、夫が約束を破って再婚し法要も怠るのが口惜しいと訴え、亀吉の赤ん坊を気絶させたのは自分だと明かす。上間の屋敷の四つ角の祈禱札を抜いてくれと頼まれ、亀吉が抜くと赤ん坊は元気になり、その夜、上間は急死した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲・昭和初期(推定1920年代~1930年代))