紫の風呂敷包み
どんな伝承か
辻遊廓近くからふらりと現れた若い女を乗せた人力車夫は、対岸の坂道ガジャンビラへと向かった。坂を登る途中、車が石にはねると背筋が凍るような悪寒に襲われた。振り返ると女は俯いたまま死人のような顔色で、紫の風呂敷包みを大切そうに抱きしめていた。女は榕樹の角の家で降りたが、いくら待っても戻らず、その家には誰もいなかった。女は既に病死していた辻遊廓の遊女だったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲・昭和初期(推定1920年代~1930年代))