山奥のダム底に沈む高根村で泊った事がある
どんな伝承か
大野郡高根村での話。語り手は、山奥のダム底に沈む高根村に泊まったことがある。学校は壊され、運動場には小さなひまわりの花が咲き、子どものくつが残っていても人ひとりいなかった。合掌造りの茅ぶきの民家は燃やされ、大きな甕には人の住んだあとの人糞が残り、蛆だけが生きて住んでいた。その夜、夢の中で、茅の屋根を葺きかえている人の後ろに大きな不気味な鳥が飛んできてとまった。鳥は農民をつかんで飛んで行った。人は知らずに仕事をしているが、捕まったら最後どうにもならず、この世から消えていく。それは死神で、いつ誰の後ろにとまるか分からないのだと思われ、不気味であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。