比婆郡口和町では、色彩鮮やかな夢を見ることは死の前兆と…
どんな伝承か
比婆郡口和町の話。この地方の老人の間には、色のついた天然色の夢を見ると死が近いという言い伝えがあったという。Fさんは昭和五十七年に四十歳で、アルコール依存のため広島市のある病院に入院しているが、毎夜、十代で結婚して死んだ妻の顔が原色で映ったり、きれいな原色の広い風景を夢に見たりするという。Fさんは「わしの命も長くはないのじゃろう」と真顔で語ってくれたそうである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。