母・多喜子から何回も聞かされた話
どんな伝承か
倉敷市の岡本希根が母・多喜子から何度も聞かされた話。母は、父の和夫がびしょ濡れになってさみしそうな顔で立っている夢を見た。父の和夫は昭和十九年、フィリピンのバシー海峡で乗っていた輸送船が敵の攻撃を受けて沈没し戦死した。夢が戦死の知らせの前か後かははっきりしないという。戦死公報が来た日、家に亀が入ってきたため縁起がよいと多喜子は夫の生存を信じ、その後も和夫が元気で帰る夢を何度も見たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。