撫養町南濱の善徳寺の門前附近には、狸がよく大入道に化
どんな伝承か
徳島県板野郡撫養町南浜の善徳寺の門前あたりには、狸がよく大入道に化けて出るという。ある夕暮れ方、大工職の某という男が仕事帰りに道具箱を担いで通りかかると、見上げるばかりの大入道が門脇の土塀に腰をかけ、こちらを睨んでいた。大工が手斧で大入道の足へ打ち込もうとすると、逆に手斧を奪われ、額へしたたかに打ち込まれた。大工は悲鳴を上げ、道具箱を投げ捨て、傷口を押さえて走り帰り、額を破られたから早く布を出せと騒いだ。家族が手を離させて見ると毛ほどの傷もなく、鏡を見せてようやく納得させたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。