並木道に立っていた入道
どんな伝承か
大田区での話。語り手が子どもの頃、近所の子ども四、五人で夏に畑の並木のあたりへ、シドメという赤い酸っぱい実を採りに行った。並木のところを語り手が先頭で行くと、三、四間ほど先に、昔よく言う入道のような、おそろしい格好をしたものが立っていた。びっくりして、先頭だったのに逃げるうちいちばん後ろになり、振り返り振り返りしたという。ムジナに化かされた、たった一度の体験だと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。