本文に具体的な怪異や伝説の内容が記載されていないため
どんな伝承か
和歌山市の女性が子供の頃に見た話。先生と歩いていると、道の下のドブのあたりで、何かがガーッと火の玉のようになって地べたをぐるぐるまわっていた。「あんなところに火の玉がまわっていて、おとろしいよう」と言ったが、先生には何も見えず、「何言うんえー、何にも見えやんで」と言われた。羽織の裾で顔を隠し、そっと見直すともう何も見えなかった。今でもはっきり覚えており、あそこには狸がいる、狸にいらわれたのだろうと母たちは言っていた。ドブに狸がいたのだという。中ノ丁に大きな家があり、その庭でも狸の火の玉がころころしていたと言い伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。