カエデにまつわる青い火の球
どんな伝承か
福島県相馬郡の西寄りにある飯館村で、学校の教師をしていた男が夏の日に行水を使っていた。ふと庭に目をやると、カエデの木に青い火の球がぐるぐると巻きつくようにまつわりついている。驚いた男は、台所で水仕事をしていた妻を大声で呼んだ。出てきた妻はひと目見るなりキャーッと叫び、それきり何も手につかなくなってしまった。だいぶ離れた家から死人が出たばかりで、あれは別れを告げに来たのだろうと、あとで二人は話し合ったという。大正時代のできごとである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。