甲津原のあっちの岐阜県の人がな、朝早う馬車を引張り馬
どんな伝承か
滋賀県坂田郡伊吹町での話。甲津原の向こうの岐阜県の人が、朝早く馬車を引いて馬を連れ、深谷という方の山道を通っていると、大きな坊主が目の前の道いっぱいに立ちふさがっていた。馬は知った道なので歩いていったが、途中で立ち止まって動かなくなる。何事かと降りて見ると、大きな坊主が目の前に立っている。馬が進まないので尻を叩き叩きして歩き始めさせると、その大きな坊主はぽかっと消えてしまった。そして夜が明けてみると、その場所に狸が死んでいたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。