吉城郡国府町に関する民俗と民話の記録
どんな伝承か
岐阜県吉城郡国府町の大森きさの話。昔は翌日履くわらじを前の晩の夜なべに作った。その夜も清蔵はせっせとわらじを作り、「今晩はこの位でやめよう」と小便に立って外へ出ると、まだ向かいの家でトントンと藁を打つ音がする。「向いの広さはまんだ起きとるのか」と、また何足かのわらじを作って外へ出て見ると、また藁を打っている。負けるものかとわら仕事を続け、しばらくして外へ出るとまだ藁を打つ音がする。それを繰り返すうち夜が明け、よく見ると沢山のわらじを作っていた。朝、広さに「よんべは偉く頑張ったな」と言うと、「風邪気味で早う寝て藁仕事は休んだ」と言われ、目を白黒させた。須代山のむじなに化かされたのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。