字灰畑
どんな伝承か
愛知県岡崎市秦梨町字灰畑の話。今は枯死してないが、幕末のことである。秦梨町の福正寺の先住が、灰畑の檀家へ通夜に行って遅くなり、大池のそばを通ると、樹齢三百年以上もたった松の樹上に天狗がいて、何か酒盛りのような振舞いをしていた。おそるおそる提灯の火を頼りにその下を通ると、われ鐘のような声がして生きた心地がしなかったと、父から話されたと、今の安藤祐允住職は語った。それ以来、この松を天狗松と呼んだということである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。