夜ごと水を浴びる天邪鬼の手洗石
どんな伝承か
文政のころ、大久保に加賀美某の屋敷があり、その庭には天邪鬼が手洗石を担ぐ形の石が据えられていた。ある夜、庭で水を浴びるような音がした。姿は見えないのに水音だけが毎晩続く。怪しんだ加賀美某は、家伝の宝刀を抜いて音のする方へ袈裟がけに斬りつけた。翌朝あらためると、手洗石の邪鬼の肩に刀の傷跡が残っている。水を浴びていたのはこの邪鬼だったと分かった。以来水音は止んだが、今度は家族に病人が続いて出るので困り、手洗石を稲荷鬼王神社へ納めたところ、病む者がいなくなったという。
原典より
場所 西大久保一丁目(番地不明)時代 江戸時代 文政(一八一八二九)のころ大久保に加賀美某の屋敷があった。—— 新宿と伝説(新宿区教育委員会) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新宿と伝説(新宿区教育委員会)
新宿区教育委員会編『新宿と伝説』を全62話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。