紀州のカシャンボ
どんな伝承か
紀州はドンガスやガオロなど川童の異名の多い地方であるが、その川童が冬になると山奥へ入ってカシャンボというものになるという。青い衣を着た少年の可愛らしい姿に見えるが、これが中々の悪戯者で、人をからかって仕方がない。カシャグというのも方言でくすぐることを意味するのだという人がある。そうした徒ら者だが一方には義理堅いところもあって、熊野の二川村の何とかいう旧家では、谷へ入って来るカシャンボは一人ずつこの家の外へ来て、石を打ちつけて到着の知らせをするともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。