昭和五十二年八月のこと、田辺市に住むCさんが、和歌山
どんな伝承か
昭和五十二年八月、田辺市に住むCさんは和歌山市内から深夜一人でタクシーに乗り、田辺まで走らせた。隣の座席に白いパンタロンをはき髪をアップにした二十五、六歳の女が何度も現れては消えるのを見たが、気味悪がられて引き返されては困ると思い運転手には黙っていた。田辺に着くと運転手は暗いうちは帰れないと漏らし、実はその女の姿を自分も見ていたのだと語った(文・和田寛、『民話と文学』四号)。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。