伏見のクグツ師が呼ばれても来ない
どんな伝承か
サンカという語の古い用例は、源俊頼の散木奇歌集にある。同書巻十の連歌の部に、伏見にクグツシのサムカが来ていたので、さき草に合わせて歌をうたわせようと呼びにやったところ、もと宿っていた家にはいないと言われて来なかった、そこで家刀自が「うからめはうかれて宿も定めぬか」と詠んだ、と見える。証は一つだけで誤字も計りがたいが、この詞書によれば当時は傀儡師をサムカとも称したと解しうる。舞を奏すべきクグツシだけが出て、それに合わせて歌う者が不在であった失望を紛らすために、このような連歌が行われたのであろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
巫女考・毛坊主考ほか(柳田民俗論考)(柳田国男・大正期)
柳田国男の民俗論考(巫女考・毛坊主考ほか)から具体事例を全20話抽出。井上円了総論部は事例0で除外・山民の生活/山人考はbook_451へ一本化。