顎なし地蔵
どんな伝承か
島根県松江市周辺では、歯痛に悩む人が「顎なし地蔵」に祈願する風習がある。この地蔵の本尊は隠岐にあるが、出雲の人々もみなこれに祈りを捧げるという。歯痛が治ると、宍道湖や川、海などへ梨を十二個、毎月一つずつ一年かけて流す。その梨は潮の流れに乗って海を越え、隠岐まで運ばれていくと信じられている。顎なし地蔵とは、前生に下顎の歯がひどく痛んだため、痛む顎をみずからもぎ取って捨てて死に、菩薩となった地蔵だと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。