濁流に投じられた夢告の弘法像
どんな伝承か
昭和十八年の斐伊川の洪水では、下流の鳥屋川橋のあたりも百メートルほど切れ、まのふちと呼ばれるほど深い淵ができた。この鳥屋川の水止め工事の際、上島町の今岡という老婆の夢枕に弘法大師が立ち、おまえの信仰する弘法像が身代わりとなって土台石になろうと告げた。老婆から知らせを受けた工事の責任者は、もったいないと思いながらも濁流へこの像を投げ入れた。すると難しいとされた水止めが成功したので、地区の人々は像を山上に祀って大切にしているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。