人魚の刺身を食べた縄又の娘
どんな伝承か
縄又にイカザエモンという信心深い男がいた。輪島へ寺参りに出たとき、人の顔とも思えない大沢の男と道連れになる。一月ほどのち、十人ばかりの仲間とともにその男の立派な家へ招かれた。台所をのぞくと、男は腰から上が人の姿をした人魚を料理している。驚いた男は仲間に知らせ、誰も膳に手をつけず、ひそかに料理を懐へ隠して持ち帰った。イカザエモンが持ち帰った人魚の刺身を娘が食べ、白比丘尼になったという。のちに若狭から、若死にが続いて困るので譲ってほしいと使いが来て、差し上げた。若狭では白比丘尼を祀って以来、若死にする者がなくなり、比丘尼は達者だと知らせが届いた。八百年も生きたのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。