石上げ祭を生んだ峰争いの夢
どんな伝承か
犬山市五郎丸に住んでいた八百比丘尼は、ある夜、尾張富士の神である木花開耶姫の夢を見た。隣の本宮山より峰が低いのが残念だ、小石を一つ携えて登り峰を高くしてくれた者には願いを叶えよう、という告げであった。これを聞いた村人が山へ石を上げるようになったが、本宮山との峰争いは結局、尾張富士の負けに終わったという。それで尾張富士では毎年八月一日、もとは旧暦六月一日に、峰へ石を運び上げる石上げ祭が行われるようになった。尾張富士自体、大男が近江から土を運ぶ途中にこぼした土だとも伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・岩井宏実による妖怪事典『暮しの中の妖怪たち』。日本各地の妖怪を暮しの空間(山・海・道・家・屋敷)ごとに、約六十項目にわたり具体例とともに解説する。