火柱と入鹿池決壊
どんな伝承か
火の玉(ヒノタマ)は人魂とは違い、神霊の去来とかかわるものらしいと考えられていた。九之坪西浦では、赤い火柱が立ったあとにその家から火が出たことがあり、火の玉は火事の前触れらしいという。米野では、慶応四年に犬山の入鹿池の堤が切れたときにも、池の真ん中に火柱が立ったと語り伝えている。火柱は神の去来ばかりでなく、無縁仏や祖霊のこともあるとされる。
原典より
慶応四年(一八六八)に入鹿池(犬山市)の堤防が決壊したときも、火柱が池の真中に立ったという(米野)。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。