切ってはならぬ秀の木と地滑り
どんな伝承か
八百比丘尼が縄又を去るとき、この木だけは切るな、切れば災難が起きると言い残していった木があった。昔から秀の木と呼ばれ、神が授けた木だといわれる。もっとも村人のあいだには、大枝が広がって田畑の耕作ができない、風が吹けば地滑りの恐れがあるという声もあった。木こりが切っても、翌日には元通りに戻ってしまう。そこである知恵者が、切り倒したらすべて燃やしてしまえと言い、切った木を残らず焼いた。それからというもの、縄又の地滑りはひどくなり、今日まで続いているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。