風に舞った笠と猿丸神社
どんな伝承か
猿丸神社は、奥山の紅葉を踏み分けて鳴く鹿の声に秋の悲しさを聞くと詠んだ歌で知られる猿丸太夫の、居住跡だといわれている。海が荒れた折に、歌を詠んで海を鎮めてみよと言われて詠んだものの、何の効き目もなかった。おのれの無力を悲しんだ太夫は旅に出て、犀川のほとりにさしかかったとき、風で笠が舞い上がった。そこから笠舞と名づけ、庵を結んで住みついたと伝えられる。往時は、嫉妬に苦しむ女の丑の刻参りの場としても知られていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。