小井波の猿丸太夫
どんな伝承か
婦負郡八尾町の小井波に猿丸太夫の塚というものがある。塚は直径四メートルほどの円い壇であったが、今は形が崩れて跡だけが残っている。昔、村の善次郎という老人の夢枕に、わしはこの塚の主だ、三治右衛門という者が塚守としてよく仕えてくれたが、今では誰も守る者がなくて本当に寂しい、との告げがあり、それによって碑が建てられたという。猿丸太夫はこの越中路へ旅を続けて別荘川の景色を眺めて喜び、晩年ここに草庵を作って初め稲を植えた。その稲植えというのが訛って井波といい、のちに小井波と呼ぶようになったと伝えている。
原典より
婦負郡八尾町の小井波に猿丸太夫の塚というのがある。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。