大正と現代に残る磯部の一本榎
どんな伝承か
富山県内の怪異を大正期の地元紙の連載と現代のインターネット上の噂とで数量的に比べた調査がある。その結果、二つの時代の双方に姿を見せた怪異はごくわずかだった。数少ない例が、戦国武将佐々成政の愛妾だったという早百合姫にまつわる話である。大正の側では「早百合の亡霊」として、現代の側では磯部の一本榎の怪異として記録され、およそ百年を隔ててなお語られ続けていた。土地の近い話が別の怪異譚に移し替えられている例も、わずかながら認められたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異の類型と分布の時代変化に関する定量的分析の試み(鈴木晃志郎・于燕楠・E-journal GEO・現代(2020・地理学論文))
鈴木晃志郎・于燕楠による地理学の調査報告(E-journal GEO 2020)。幽霊・妖怪を含む怪異を定量的・地理学的に分析する試みで、富山県を対象に約100年前の大正群(1914年高岡新報「越中怪談」等を復刻した『越中怪談紀行』)と現代群(ネット上の富山心霊スポット)を比較する。