買い物帰りの父を刺した通り魔
どんな伝承か
三年ほど前、札幌市で通り魔の事件があった。買い物の帰りに二人の子どもを連れて歩いていた父親が、見知らぬ男にいきなりナイフで胸を刺され、そのまま死んだのである。東京でも、国電鶯谷駅の近くで会社社長が、小路から突然現れた男に包丁で刺し殺されている。この種の事件は数えあげればきりがない。ある日ふつうに町を歩いていて、説明のつかない出来事に出くわす。そうした状態が日常になりつつあるのだと説かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・宮田登が、妖怪を『日本の見えない空間』の問題として論じた現代民俗学の名著。Ⅰ妖怪のとらえ方では、柳田国男『妖怪談義』の妖怪論(妖怪は出る場所が決まり、零落した神)と、幽霊(都市の人間関係から相手を追って出る)との区別、昭和五十四年に流行した口裂け女(受験社会で母に叱られる子供の心意の投影、『喰わず女房』の鬼女の再来)と産女、島根県松江の雲州皿屋敷のお菊、明治の井上円了の妖怪学と真怪・仮怪の分類を扱う。