花畑の手前で越えられぬ垣根
どんな伝承か
札幌市のN・Rさんが伝えた、父親の体験である。一九七五年、七十四歳だった父は風邪をこじらせて肺炎になり、激しい発作で息ができなくなって意識を失った。酸素吸入でようやく息を吹き返したとき、こんな話をしたという。苦しかったのが急にすっと楽になり、目の前に明るく広いお花畑が開けていた。向こうの家には観音のように神々しい天女がいて、こちらを見ている。近づこうとすると途中に垣根があり、どうしても越えられない。何度試しても越えられずにいるうちに、名を呼ぶ声がして戻ってきた。意識が戻ったとたん、また苦しくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成)
トム・ソーヤーの変身・オメガプロジェクト・色を聴く(共感覚)・クンダリニー覚醒・時間なき世界・光の存在/光の世界・星への旅・体外離脱とは何か・脳と心の関係・シルヴィウス溝・死のリハーサルなど全章にわたり、臨死体験者の証言(弟の気持ちを知る・ベトナム帰還兵・登山家の奇跡)と、ムーディやケネス・リングらの研究、脳科学的解釈を縦横に検討。