賽の河原で閻魔の裁きを受けた男
どんな伝承か
山口県光市の中谷昇は、一九三八年に横須賀の海軍砲術学校で教員助手を務めていたころ、事故で頭蓋骨を折り、一週間も意識が戻らなかった。目を覚ましたときには、すでに香典まで集められていたという。その間に彼が見たのは、白装束の巡礼となって水のない賽の河原を歩く光景だった。向こう岸では朱塗りの椅子に閻魔大王が座り、生前の行いを見透かして地獄と極楽を振り分けている。死後の世界を知りたくて書物を読んでいた中谷は極楽へ回され、花の咲き乱れる草原と美しい寺を目にしたが、僧に来るのが早すぎると諭されて病室へ戻った。
原典より
日本人の神仏体験でもう一つ述べておきたいのは、古典的な閻魔(えんま)さまが出てくる例についてである。—— 臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成)
トム・ソーヤーの変身・オメガプロジェクト・色を聴く(共感覚)・クンダリニー覚醒・時間なき世界・光の存在/光の世界・星への旅・体外離脱とは何か・脳と心の関係・シルヴィウス溝・死のリハーサルなど全章にわたり、臨死体験者の証言(弟の気持ちを知る・ベトナム帰還兵・登山家の奇跡)と、ムーディやケネス・リングらの研究、脳科学的解釈を縦横に検討。