ごはん一粒の行
どんな伝承か
むかし、何人かの行者が山にこもって厳しい修行をしていた。毎日、山裾の滝に打たれ経を唱え、夜もろくに寝ずに励んだが、なかなか行がつとまらなかった。ある日の昼、弁当を開いた行者の一人が箸を忘れ、そのあたりの竹を折って箸の代わりにした。食べ終わったあと、その箸に飯粒が一つ付いていたのに気づかず、藪の中へ捨ててしまった。行者の頭は、そんなことだから行がつとまらないのだ、百姓が八十八度も苦労して作った飯粒を粗末にすれば罰が当たると叱った。行者が藪をかき分けて箸を見つけ、押し戴いて一粒の飯を食べると、一度に悟りが開けて行がつとまるようになったという。
原典より
むかし、何人かの行者が、山へ籠って、厳しい修行をしとったと。—— 鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史・自治体史(民俗))
『鹿島町史 通史・民俗編』所収の伝説。石川県鹿島町(能登・現中能登町、石動山麓と邑知地溝帯)に伝わる自然・信仰・歴史伝説を採録する。