お諏訪様のタブの木と左鎌の祭り
どんな伝承か
藤井のお諏訪様は、ご神体を奥の院に納めず、タブの木の根もとにお供えをして祭る。祭りではタブの木に左鎌を二丁打ち込む習わしで、祭日は八月二十七日、鎌立ての祭りとも呼ばれ、この日は雨が降らなければ風が吹くと言い伝えられている。お諏訪様は左利きの神で、しかも気難しく、本来なら信州の諏訪神社にならって七堂伽藍を建てなければ祭ることができないという。それがかなわないので、ほかの木に宿ってもらっているのだと語られる。鎌で祭るのは山のことを教える神だからで、タブの木に鉄気を与えることで葉がいっそう茂るともいわれている。
原典より
「八月二十七日、鎌立ての祭り、お諏訪の祭り、雨降らねば風が吹く」、と伝えいわれる。—— 鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史)
『鹿島町史 通史・民俗編――伝説』は、鹿島町の町史通史・民俗編のうち、昔話と伝説の節と、続く「俗信と俚諺」の冒頭を収めたものである。石動山麓と邑知地溝帯の集落で聞いた話を、芋掘り権兵衛や屁売りじいさなどの昔話、亀塚や椀貸穴などの自然伝説、初瀬の観音様や井田の不動滝の信仰伝説、久江の道閑や村境を決めた話の歴史伝説に分け、在所名を添えて載せる。伝承の状況や語り始めと結びを述べた解説を前に置く。