蕎麦の花雪
どんな伝承か
十一月ごろ、能登部へ祭りに行った帰り、重箱を持って戻ってくると、あたり一面に雪が降って白くなり、うまく歩けなかった。行くときには降っていなかったので、珍しいこともあるものだと思いながら帰った。翌日その場所を見に行ったら、そこは蕎麦の畑で、蕎麦を踏みつけた跡が道のようになっていた。もらってきた重箱の中身は空になっていたという。川獺に騙されたのだといい、子どもの頃にはそんなことはいくらでもあったと語られている。
原典より
いまはむかしのことやが、十一月頃に能登部へ祭りにいっての帰り、お重を持ってもどってきたら、辺りじゅう雪あ降って白うなって、うまいこと歩けなんだがや。—— 鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史・自治体史(民俗))
『鹿島町史 通史・民俗編』所収の伝説。石川県鹿島町(能登・現中能登町、石動山麓と邑知地溝帯)に伝わる自然・信仰・歴史伝説を採録する。