人を食う魔物と人身御供
どんな伝承か
どこか判らぬがある村のお宮には人を食う魔物が住みつき、毎年若い娘を人身御供に出さねば作物が全くできず災難が続くといわれていた。白羽の矢が当たった家では泣く泣く娘を差し出していた。ある年、犬を連れた旅のリクブ(六部)が通りかかり、村人の相談を受けて、まず魔物の正体を確かめようとお宮に泊った。夜中になると魔物が現れて襲いかかったが、修業を積んだリクブと、シッペイロクという大層強い犬とがこれに立ち向かい、ついに打ち倒した。確かめてみると大きな年を経た猿であった。以来その村では人身御供を出さずとも作物がよくできるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史・自治体史(民俗))
『河内町史 柑橘・民俗編』所収の昔話・伝説。熊本県河内町(現熊本市)に伝わる三十八話の口承を採録する。